リングがあればなんでも出来る

タイでプロレスを普及させようと頑張った素人の話です

出来れば、善玉レスラーと小さい方のレスラーを勝たせて下さい

生まれて初めてプロレスを見る子どもたちの様子を見る。

1回スラムプロレスのテーマはこれでしたが、

イベント終了後、財団のスタッフに言われた言葉。

それがこのタイトルです。

 

私自身、この日の興行の半分くらいはリング上を見ていましたが、

半分は子どもたちを観察していました。

純粋な気持ちでプロレスを見る子どもたち。

 

自分が初めてプロレスをテレビで見た時のことを思い出していました。

正義が勝たないと本当に寂しい気持ちになりました。

 

昨今の日本やアメリカのプロレスではヒール(悪玉)の人気者が多かったり、

ヒールがベビーフェイス(善玉)に勝つことも多いですね。

私たち一般プロレスファンもそれに慣れているし、

ヒール選手をカッコいいと思ってしまうのはちょっとしたマニアな感覚なのかも知れませんね。

 

財団の人曰く、スラムの子どもたちに常日頃から指導しているのは、

悪い人はいずれ負けるから良いことをしよう

ということだそうです。

(タイの場合、道徳的というより仏教的です)

 

そういう意味で悪玉は勝ってはいけないのです(苦笑)

 

だけど、困ったことにタイのガトームーブの選手は当時のチャンピオンも、

主な有名選手はヒールなのです。

 

それだけならまだしも、ベビーフェイスの選手でも大きな選手が体の小さい若手の選手と試合をしていると、ベビーフェイスの選手も悪玉扱いにされてしまうのです。

そりゃあ初めて見るのだから、誰が善玉で誰が悪玉というのも、

子どもたち自身が勝手に決めていいのです。

 

こちらは善玉悪玉の違いを極端にはっきりさせないと、

初見の子どもたちには分からないわけです。

 

この日、私だけでなく、ガトームーブの選手やスタッフ全員が思い知らされました。

 

それはプロレスの原点。

 

はじめてプロレスを見た日のこと

 

ハイレベルな技術の攻防とか大技とかは要らないのです。

分かりやすさのみ。

アンパンマンのような世界なのです。

 

試合をしながら方向転換などは私たちには出来る術もなく、

ほぼ当初の予定通りの内容でイベントは進みました。

 

結果、大きな人(ヒールではない)が勝ったことでガッカリした子どももいたのでした。

そんな様子をYouTubeにアップしました。

あまりきれいな映像ではないですが、記録用にスタッフが撮った映像です。

 

https://www.youtube.com/watch?v=9DB7NKTvNoo

 

https://www.youtube.com/watch?v=FTblpypwjoo&t=31s

 

私たちはこの意外なことに戸惑いました。

それを想定出来なかったことも反省しました。

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体が大きな選手が勝っても喜んでくれない子どもたち

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逆に小さい選手が攻めると歓声があがる



 

とりあえず初回は普通にやってみて、様子を見たい。

まずは無事に興行を「達成」させたい。

そればっかりで、中身についてそこまで深く考えられませんでした。

 

手応えはありましたが、改善の余地は十二分にあったと思います。

 

同じく、初見の立場で取材をしてくれた、

「でいぜろバンコク」さんも後日取材内容をアップしてくれました。

こちらです。

https://www.youtube.com/watch?v=iRUV1pJl1C8

 

私は編集に一切口を出していません。

これもプロレス初見者の意見として、勉強になりました。

 

プロレスがタイで認知されていく為にはプロレスファンが喜ぶ内容と、

一般の人たちが喜ぶ内容に違いがある。

このテーマについて考察していかなければいけない。

 

それを身を以て目の当たりにした、という経験になりました。

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何はともあれ初めてのスラムプロレス終了後の記念撮影


 

翌月に第2回をやる話を財団と決めました。

2018721日(土)です。

少しずつ少しずつ子どもたちと仲良くなって交流を深めようと思った私たちでした。

 

しかし、決して物事は何でも順風満帆には進まないものです(意味深)

事件はもう少し先に起こります。