リングがあればなんでも出来る

タイでプロレスを普及させようと頑張った素人の話です

アジアのプロレスは動き始めている

(この原稿は2017年10月頃にフリーペーパーdacoウェブサイトに掲載された「タイでプロレス興行を目指す男の記録」 第32回 の再掲載です)

 

 今回の大会ではアジアのプロレスが動き始めていることを肌で感じました。

 

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全試合終了後、MVP発表の直前シーンです



 もともとアジアのプロレスラーは互いの国の大会に選手を派遣しあったり、という交流はありましたが、今回はタイの選手がシンガポールの選手とパタヤへ遊びに行ったり、香港とシンガポールと台湾の選手が一緒にご飯を食べたり、関係性が親密さが目につきました。

 恐らくオリンピックやアジア大会などのスポーツイベントで各国の選手同士がこんなに仲良くすることはないと思います。

 プロレスならでは? いや、日本のプロレスラーでもこんなに仲良く遊びに行ったりはしないんじゃないでしょうか。

 アジアのプロレス独特の光景になっているのかも知れません。

 何十年も経過した時に「アジアのプロレス草創期の一幕」として語り継がれるような光景になって欲しいです。

 

 そして、今回特筆すべきことは、アジアの選手が日本へ短期プロレス留学をしたり、日本のプロレス団体と契約をしたり、という展開がサワディカップ後に多発していることです。

 香港の現チャンピオン、ビッグテンZ選手は秋からみちのくプロレスの寮に入って数ヶ月みちのくプロレスで修行をしながら試合にも出るようです。

 このことはサワディカップの前から決まっていたのですが、サワディカップの翌日、サワディカップを獲得した香港のキングマイケル選手が

「自分もみちのくプロレスに行きたい!」

 とみちのくプロレス側に直訴してきたそうです。

 その後、双方の協議のもと、11月からの参戦が決定しました。

 サワディカップ主催者としてこんなに嬉しいことはありません。

 (この話はプロレスファンにしか分からないのですが、、、彼がみちのくプロレスに行きたいと言い出す前日、彼はみちのくプロレスが毎年12月に行っている後楽園ホールでの興行「宇宙大戦争」のDVDを見て決心したそうです 笑

この大会のビデオを見て決心した、というところは逆にちょっと心配なんですけど 笑)

 

 みちのくプロレスさんの道場と言えば、某日本の放送局の某ゴールデンタイムの番組で芸人さんが入門して何度も逃げ出す、という出来事がありました。

 みちのくプロレスの道場は周りに何もなく、プロレスが生活の大半を占めるような日々を過ごすことになります。

 それを覚悟の上で入門する訳ですから何とか頑張って乗り切って欲しいです。

 

 タイのトップ選手の1人、ゴレムタイ選手も9月のみちのくプロレス我闘雲舞の大会に参戦が決まっています。

 そしてそして、香港プロレスのエースでスター選手のジェイソンリー選手は日本のドラゴンゲートという団体と契約をしたようで、すでにドラゴンゲートの本拠地である神戸に移住しています。

 

 これら全てがサワディカップや私のおかげなどというつもりは毛頭ないですが、少なくともサワディカップがなかったら、みちのくプロレスさんと彼らがつながることはなかったと思います。

 

www.youtube.com

 

 

 

ほんの少しですが自分が彼らの人生に何らかの脇役で出演しているんだ、と感じると不思議な気分になります。

 タイで生きて行くことを決めた自分がタイ以外でアジアのプロレスラーを目指す子たちと出会うなんて、、、

 自分にはまだ出来ることがあるんだなと感じました。

  

 文章だけ読んでいると何もかもうまくいってるじゃねーか、みたいに思われるかも知れません。

 しかし表面上はそう見えても現場はそうでもありません。

 今回もなかなかの赤字でなかなかの持ち出しとなりました(苦笑)

 

 参加レスラーの皆さんにも好条件で来ていただくことは出来ておりません。

 彼らのプロレス愛に甘えている部分は申し訳ないと思っていますが、こちらも厳しい状況であることも理解していただいているようです。

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チームジャパンのTシャツはみちのくプロレスさんに作っていただきました

 

 そんな裏事情をコミッショナー新崎人生さんにも大会直前に相談しました。

 その話し合いではとても厳しい話ととても嬉しい話をいただきました。

 

 続きは次回。